競馬で万馬券が当たっても浮かれているわけにはいきません。
お金を儲けると嫌でもついてくるのが「税金」です。
今回は競馬の払戻金(配当金)にかかる税金のお話。
競馬にも税金が課される
「競馬で儲かっても税金はらうの?」
「競馬で払戻金(配当)が出たけど税金でいくら取られるんだろう?」
せっかく競馬で万馬券を的中させても、税金のことを考えるとテンションも下がります。
当たる前に競馬にかかる税金のことを頭に入れておきましょう!
結論から言うと競馬の払戻金(配当金)も税金が課されます。
競馬でも儲けは確定申告が必要になります。
競馬に課される税金
一般的に儲け(利益)の計算方法は収入 – 経費 = 利益です。
この利益が税金対象額になります。
競馬の収入は「払戻金」、経費は購入した「馬券」となります。
収入から経費を引いてプラスなら利益とみなされ課税されます。
競馬の税金の課税対象
競馬の税金は「一時所得」という所得区分になります。
税金は的中させた毎ではなく年間を通しての申告となります。
ただし、経費と認められるのは的中した馬券だけです、ハズレ馬券は経費とは認められません。
的中ごとに「払戻金 – 当たり馬券 = 利益」を計算して、1年の利益を合計します。
確定申告は毎年2月中旬~3月中旬頃におこないます。
競馬の税金の計算
「一時所得」の計算は「収入 – 経費 – 特別控除額(最大50万円)」です。
1万円の馬券で100万円払い戻しがあった場合は49万円が一時所得になります。
特別控除額(最大50万円)は的中レース毎に50万円を差し引けるわけではありません。
1年間の利益から50万円を差し引けます。
なので、1年間で「1万円の馬券で100万円の払い戻し」が2回あったとしても。
200万(100×2) – 2万(馬券×2) – 50万 = 148万円
148万円が一時所得となります。
競馬の税金の計算
一時所得すべてに税金を課税されるわけではありません。
一時所得は「所得金額の1/2に相当する金額」から納める税額を計算します。
一時所得が49万円の場合は490,000円 ÷ 2 = 245,000円で24万5千円が課税対象額です。
一時所得が148万円の場合1,480,000円 ÷ 2 = 740,000円で74万円が課税対象額です。
この課税対象額と他の収入(給与収入)と合計した総所得金額に応じて課税されます。
だから一体いくらなんだよ!?
ここまで読んで「だから一体競馬の払戻金の税金はいくらなんだよ!!」って思った方は申し訳ありません。
一概に「競馬の税金は税率10%課税なので、100万だと10万円です」とは言えないのです。
計算に必要な税率は総所得金額によって違います。
総所得金額とは「事業所得」「不動産所得」「給与所得」「一時所得」など、すべての所得の合計です。
当然、人によって総所得金額が違い、その総所得金額で税率が決まります。
なので、競馬で的中した払戻金の税率は「〇〇%です」とは書けません。
参考までに総所得金額に応じた税率を示します。
所得税の税率
総所得金額(万円) | 税率 | 控除額 |
---|---|---|
~195 | 5% | 0円 |
195~330 | 10% | 97,500円 |
330~695 | 20% | 427,500円 |
695~900 | 23% | 636,000円 |
900~1,800 | 33% | 1,536,000円 |
1,800~4,000 | 40% | 2,796,000円 |
4,000~ | 45% | 4,796,000円 |
競馬の税金の例
たとえば、総所得金額が500万円の人が1万円で100万円の万馬券を的中させた場合。
総所得金額が500万円の人の税率は20%です。
100万円(払戻金) – 1万円(馬券) – 50万円(特別控除額) = 49万円(一時所得)
49万円 ÷ 2 = 24万5千円(課税対象額)
24万5千円 × 20%(税率) = 49,000円
およそ4万9千円を税金として納める必要があります。
競馬の税金の注意点
注意する点は「一時所得」は経費にできる範囲が狭いことです。
競馬の場合は「的中した馬券のみ」が経費として計上できます。
年間を通して負けた「はずれ馬券」を経費に計上することはできません。
過去に裁判で、ハズレ馬券も経費として認めらた事案もありますが、これは競馬が資産運用の投資と認められたためです。
普通に娯楽として馬券を購入する場合は、ハズレ馬券が経費として認められる可能性は低いです。
資産運用となると「雑所得」になるので経費の範囲が広がります。
まとめ
競馬で的中させて払戻金を受け取ったら課税されます。
しかし、特別控除(最大50万円)があるので、50万円を超えなければ課税はされません。
脱税をすると上乗せされて請求されるので確定申告は忘れずに行いましょう。