トルコリラをアホールドして瀕死状態の筆者です。
毎日ビクビクしながらトルコの情勢を注視してますが、トルコの金利が複数あることをご存知でしょうか?
ちょっと前に、「1週間物レポ金利を主要政策金利にする」ってなりましたけど、そのほかにも翌日物貸出金利、翌日物借入金利、後期流動性貸出金利などがあります。
それぞれの金利がどのような意味を持っているのかを調べてみました。
1週間物レポ金利
1週間後に決済する条件で、中央銀行が金融機関などに融資する際の金利。
翌日物借入金利
金融機関が、翌日に決済する条件で中央銀行に資金を預入する際の金利。市場金利が翌日物借入金利よりも低いと、市場で資金運用する意味がないので、実質的な下限金利となる。
・翌日物借入金利を引き上げる
金融機関の余剰資金を中央銀行に預け入れるよう促し、資金の滞留を防ぐ
・翌日物借入金利を引き下げる
金融機関からの貸し出しを促して景気浮揚を図る
翌日物貸出金利
金融機関が、翌日に決済する条件で中央銀行から資金を調達する際の金利。市場金利が翌日物貸出金利よりも高いと、市場で資金調達する意味がないので、実質的な上限金利となる。
・翌日物貸出金利を引き上げる
資金調達金利を上げることでインフレを抑制する
・翌日物貸出金利を引き下げる
銀行の調達金利を下げることで外国からの投機的資金の流入を防ぐ
後期流動性貸出金利
(=後期流動性ウィンドウ)
金融機関に緊急的な貸出をする際の金利。事実上の上限金利として機能している。本来金融機関の資金ショートを防ぐ最終手段として用意された、後期流動性供給ファシリティー金利のこと。
なんのことかよくわかりませんが、つまり、翌日物貸出金利(上限金利)では市場へは貸し出さず、さらに高い金利の後期流動性貸出金利で貸し出している。
トルコ中央銀行はエルドアン大統領の利下げ要求をかわしつつ、実際は高い金利で市場をコントロールしているようです。表向きは翌日物貸出金利(上限金利)ですって言いながら、裏では後期流動性貸出金利(上限金利)で貸し出しているってことです。苦労してますね。
金利コリドー
トルコの金融政策は、政策金利を調整する他に、市場金利の事実上の上限・下限を設定することで決定されています。この上限金利と下限金利の幅を「金利コリドー」といいます。
金利コリドー・・・翌日物貸出金利(金融機関にとっては中央銀行からの資金調達金利=上限金利)と翌日物借入金利(金融機関にとっては中央銀行への預入金利=下限金利)の幅。
市場金利がほぼ金利コリドーの間で推移ので、極端な金利の上昇や低下を回避する効果が期待できる。