13日、アメリカ連邦準備理事会(FRB)は連邦公開市場委員会(FOMC)で政策金利を2.00%に引き上げた。
今年はあと2回の合計4回利上げを予測しているようだ。
四半期予測では、2019年末の政策金利は3.1%、2020年については3.4%となっている。
アメリカの利上げで新興国(トルコや南アフリカなど)への影響を考えてみた。
利上げによる新興国への影響
アメリカの景気が回復して、金融緩和の縮小のため利上げをしているようだが、新興国への影響が懸念される。
一般的に先進国が利上げをすると、新興国からの資金流出懸念が高まる。
私なりの解釈だが、情勢が不安定な新興国に投資するのは、リターン(金利など)が高いからだ。
アメリカなどの先進国が利上げをすると、投資で得られるリターンは高くなる。
そうなると、リスクのある不安定な新興国に投資するよりは、安定した先進国に投資しようとする動きが高まる。
その結果、先進国に資金を流すため、新興国から投資資金を引き上げる。
投資はリスクとリターンのバランスが大事だ。
先進国が利上げしても新興国の金利のほうが高いのだが、リスクとリターンを考えると先進国を選ぶ動きが高まる。
これが、アメリカの利上げが新興国に及ぼす影響だろう。
通貨安による影響
先進国の利上げは、新興国の通貨安をまねくことがある。
FXなどで分かるように、通貨も投資の対象になっている。
政策金利が利上げされると、2国間の金利差であるスワップポイントが発生する。
トルコリラ円など新興国の金利は高く、スワップポイントを多く得ることができる。
しかし、新興国通貨は値動きが激しい。スワップポイントを得られても為替差損益で損をすることもある。
リターンは高いが、リスクも大きいのだ。
アメリカが利上げをすれば、米ドル円のスワップポイントも増える。
トルコリラ円と米ドル円のスワップ差が縮まれば、リスクの高いトルコリラより、米ドルに資金が流れる。
新興国通貨が売られ、先進国の通貨が買われるのだ。
その結果、新興国の通貨安を招くことになる。
通貨安になれば経済に影響を及ぼす。
輸入品の値上がりで物価全体が上昇し、国民の生活への負担が重くなる。
チャンスという見方も
アメリカの利上げは、先進国から投資資金を流出させるので先進国への投資を躊躇させる。
しかし、これはチャンスという見方もある。
かんぽ生命<7181>は、米国の利上げにより売られた新興国債券に対し「ナンピン買い」を入れていくと述べた。
価格が大きく下げた局面で買い増すつもりのようだ。
基本的に新興国はハイリスク・ハイリターンだ。
資金が流出し安くなった新興国債権を買えば、リスクを少しは抑えられる。
まとめ
アメリカの利上げでアメリカ債権に資金を動かすのが基本だけど、かんぽ生命のように安くなった新興国を買うのもありだ。ただ、そのままデフォルトに陥るリスクもある。
全力で新興国に全資金を突っ込むのは怖いが、許容できる範囲で新興国へ投資するのはありだと思う。
リスクとリターンのバランスを考えてポートフォリを組んでいきます。
でも、トルコリラ円の下落は勘弁して下さい。スワップ狙いでホールドしていますが、大赤字です(ToT)